フランス旅行記(後編)

レイコさんのステュディオ

パリのリヨン駅でトモミと別れた後、そこから1時間ほどメトロを乗り継ぎマルセル・サンバという駅の方へ向かう。日本にいる時にネット上のパリ掲示板というところで、アパルトマンの短期貸しを募っていた日本人のレイコさんを見つけた。お仕事か休暇で不在中のお部屋を4泊5日で借りることになっている。ステュディオ(キッチンのついたワンルーム)という概念も初めて知り、現地で暮らすように泊まれる(1人で!)こと、WiFi完備、バスタブがあることに魅力を感じていた。絶対に恋しくなる湯船。

Airbnbがまだ一般的じゃない時代だったので、掲示板からメールでやり取りをしていた。駅からアパルトマンまでの行き方を教えてもらいステュディオの説明を受けることになっている。アパルトマンに着くとレイコさんに会うことができた。フランスに住んで仕事をしているという情報だけでもかっこよく、大人の日本人女性に会えてホッとする。

施錠の仕方や設備の使い方をはじめ、一緒に外に出て周辺にある、ヨーロッパでは珍しい日曜日も開店しているモノプリの場所だったり安全な道を教えてもらった。駅でレイコさんと別れる前にパン屋さんに入り、ボランティアお疲れ様でしたとパンを買ってもらってしまった。フランス語で店員さんとやり取りをする姿だけでもかっこいいのにパンをいただけるなんて…!ひもじい生活が続いていたこの身には、パン屋で買ったパンがご馳走に思えた。

ステュディオの写真が残っていた

理想の生活

部屋の中は静かで窓の外はおフランスの街並み。窓枠も小洒落ていて、ああ外からこのアパルトマンを見た時に、私も風景の一部に自然に紛れ込めるのだという安心感に包まれていた。そして何よりWiFiである。インターネットにいつでもつながる快適さ。部屋でゴロゴロしながらネットをし、明日の予定を立ててみつつ、翌朝眠かったら二度寝をし、行き先も予定を急遽変更して別の場所に行ってみる。食事は適当。こういうことができるのが一人旅の醍醐味だと実感し、この後フィンランドに一人旅をしてみた際も同じように楽しむことができた。

マレ地区の雑貨屋、オペラの古本屋や文房具屋、蚤の市でアクセサリーを買ったり、オルセー美術館でクタクタになったりと思う存分食べたり歩き回り、フランス旅行の最後を楽しく過ごせた。

帰国

帰りもドバイ・関空経由・羽田から新幹線で仙台に帰るとんでも経路。ドバイは午前3時ごろ出発するのでやや薄暗い空港の中不安はあったが、JAL便になるので乗客は日本人が多く、ああ帰ってきたんだな感を日本に着く前に味わえた。

終わり

ボランティア生活3週間と観光の約1週間をフランスで過ごしてみて、

  • 一人旅の危機管理と楽しみ方
  • 当たり前だけど同じヨーロッパでもドイツとフランスで人や生活の空気感が違うこと
  • 知らないこと行ったことがないところなど人生経験がまだまだ足りないこと
  • もっとオープンであれば人とのコミュニケーションを楽しんで行えるのだろうが自分はクローズな部分も持っていないとバランスが取れないこと
  • とはいえ人と話した、関わった経験は数年後も記憶に残るので、人生に面白みができること
  • 時間は有限なので我慢するとか耐えるのを美徳としたり、過去辛かったことを未来で美化しない。大事なのは今どう感じるかということ

などが得られたように思う。